ツバキモトグループCEOの椿本健太です。
以前、優れた業態を所有している日本企業の海外進出には、小資本でスピーディーにチェーンを構築できるフランチャイズ方式が最適であるとお伝えしました。
詳細は、以下をご覧ください。
一方で、海外進出に失敗する最大の理由は「現地パートナーとの関係悪化」というアンケート結果が海外進出白書より出ています。
この問題を踏まえて、どのように現地パートナーを選定するべきか。
今回はこの点について、私の考えを説明したいと思います。
まず最初に取り組まなければいけないことは、マスターフランチャイズ契約書をしっかりと作り込むことです。
当たり前のことだと思われるかもしれませんが、この当たり前のことを疎かにしている企業が非常に多いのが実情です。
その結果、マスターフランチャイジーをコントロールできず、事業やブランドが放置されているケースがマレーシアでも多く存在します。
最悪のケースでは、模倣業態を展開されてマーケットから締め出されるということも実際に起きています。
とにかく、日本企業は現地パートナーを開拓するための投資を避けるマインドがありますが、マスターフランチャイズ契約書は事業のフレームであり、フランチャイズ展開のためのルールであり、現地パートナーとの約束です。
少なくとも、多民族国家のマレーシアでは日本の商習慣や「暗黙の了解」のような考え方は一切通用しません。マスターフランチャイジー開拓を進める前に、マスターフランチャイズ契約書にしっかりと時間と費用を投資する必要があるということをご理解いただきたいと思います。
この点、日本企業は取り組みが驚くほど甘いというのが私の見解です。
2点目は、マスターフランチャイジーの選定基準の修正です。
多くの日本企業がマスターフランチャイジーを選択する際に、企業規模や契約条件を優先項目に設定されますが、これは間違っています。
まず確認すべき点は、企業文化(フィーリング)とビジネスプランです。
企業文化(フィーリング)とビジネスプランが合致すれば、その後の契約交渉も事業展開も順調に進みます。一方で、企業のネームバリューや組織規模や契約条件といった表面的な理由だけで選択した現地パートナーとの海外展開は、後に苦労するケースが非常に多いです。
過去に日本でマスターフランチャイジーの立場で事業を成功に導いた経験、そして現在マレーシアにおいて100を超える日本ブランドのフランチャイズ展開をサポートしている経験を踏まえて、現地企業とフランチャイズ展開を成功に導くためには、①マスターフランチャイズ契約書の作成に時間と費用をしっかりと投資する。
②企業文化(フィーリング)とビジネスプランの合致を現地パートナーの選定の最優先事項に設定する。
この2点を私は提案させていただきます。
Tsubakimoto Group Sdn Bhd
Funder & CEO 椿本 健太
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