ツバキモトグループCEOの椿本健太です。
日本企業がマレーシア進出で成功するために実施しなければならないことは、大きく3点あると考えています。
まず1点目は、最初に市場を徹底的に調査し、市場に合わせて商品、価格、デザイン、広告宣伝、出店立地、店舗規模、商品の原材料などを調整する事業のローカライズです。
本日は、この事業のローカライズについて説明します。
以下をご覧ください。
2017年の海外進出白書によると、日本企業が海外進出に失敗する確率は70%。
そして、ローカライズの失敗が2番目に多い失敗理由に挙げられています。
海外進出を成功に導く上で、ローカライズは必要不可欠です。
しかし、これはプロダクトアウトかマーケットインかというシンプルなマインドチェンジではありません。
「顧客を創造する」という発想のもとでマレーシアでの展開を目指す業態を再点検する必要があります。
具体例として、私が社長として立ち上げた2つの事業の創業ストーリーをお伝えします。
まずは、女性専用パーソナルトレーニングジムのリボーンマイセルフです。
リボーンマイセルフの創業当時のダイエット業界は不祥事が相次ぎ、社会問題化していました。
国民生活センターへの相談件数はが約6,100件、業界別では約3番目に多い数字です。
市場規模は4,000億円以上ですので、クレーム産業と言ってもいい状態でした。
相談件数を詳しく見ていくと、大きく3点に集約されていました。
1点目は施術や機器、薬やサプリメントによる人体への危害、2点目は説明通りの効果が出ない、3点目は強引な契約内容です。
この3つのクレームを解決できるサービスをつくることができれば、社会に貢献することができ、尚且つビジネスチャンスもあると考えました。
そこで、私は当時アメリカで急成長していたパーソナルトレーニング専門店に着目し、業態を日本の女性のためのボディメイク専門ジムに再構築しました。
これがリボーンマイセルフの創業の経緯です。
続いて、エクササイズコーチジャパンの創業ストーリーです。
リボーンマイセルフを展開しているときに、事業は順調に伸びていて市場も確実に拡大している中でいくつかの疑問を抱くようになりました。
まず、パーソナルトレーニングの平均価格が2ヶ月25万円前後と非常に高い。
時間も1セッションあたり60分で着替えやシャワーの時間を入れると1時間半近く必要になる。
トレーニングもトレーナーの技術的な感覚に左右されるため必要以上の負担がかかる。
このような理由から、トレーニングを受ける人は限られていると考えました。
一方で、顧客の目的に合わせてプログラムを立案し、目標達成まで二人三脚で導くというパーソナルトレーニングのアプローチは非常に有効だと実感していました。
そこで、トレーニング時間を短縮し、トレーナーの技術や感覚に左右されないトレーニングができて、さらに物理的に料金を下げられる、その上で効果は維持できる。
このような新しいパーソナルトレーニングの業態の開発に着手しました。
その過程で、出会ったのがシカゴに本社のあるエクササイズコーチです。
アメリカでは主に健康維持を目的とした高齢者が通う地方型のパーソナルトレーニングジムでしたが、主に減量を目的に20代〜30代が通う都市型のパーソナルトレーニングジムに業態を再構築しました。
これがエクササイズコーチジャパンの創業の経緯です。
このように、ローカライズとは顧客を創造するアプローチです。
日本の業態をそのまま持ってくるだけでは、特性の異なる成長市場の中で世界中のブランドとの競争に勝てません。
自社の業態にある背景(ストーリー)やコンセプトは、参入する市場のどのような問題を解決できるのか。
どのような新しい価値を提供できるのか。
この点について明確な答えを導き出し、市場特性に合わせてフランチャイズ事業を再構築することが海外展開の第一歩になります。
2点目は、マレーシア進出を誰とやるか決めることです。
現地パートナーの選定です。
上記のアンケート結果にもあると通り、この「誰とやるか」という点で間違えると海外進出に失敗する可能性は高いです。
現地パートナーの選定方法については、まと改めて説明します。
Tsubakimoto Group Inc.
CEO 椿本 健太
https://tsubakimotogroup.com/